うえーい、ヤッホー、お客さまです。
泊まってくれるんですって。
コロナ禍終了を実感しますねえ。
初対面ですが爆発する嬉しさを隠せません。
尻尾を振り切ってごまかしましょう。
まずは荷解きに先制攻撃をかけます。
早く遊びましょうよ、早く。
こんなことボクがやってあげますから。
くいくいっと。
え、あっち行けって?
つれないですねえ。
さあ、待ちましたよう。
遊びましょう、遊びましょうよ。
ふんふん、それがゲームというものですか。
ボクの飼い主はやらないのでね
初めて近くで見ましたよ。
ボクにも触らせてくれませんか?
あ、ダメ、ふん、ケチ。
12歳って生意気ですねえ。
ほっぺた舐めちゃって良いですか?
ああほら、これが良いんですよ。
大人は心得てますな。
これからボクの飼い主と飲むんでしょう?
いつまでも語り合ってくださいね。
仲良し人間たちが笑ったり泣いたりする声は
ボクを幸せにする雑音です。
お客さまが帰ってしまっても
しばらくボクには理解できません。
こそっと音がすれば
まだ誰か下にいるような気がします。
もう少しココで待ってみて良いですか?
ゆうべ一緒に遊んでくれた
優しくて柔らかくて温かい人が
ひょっこり上がってきたら
すぐわかるように待ってて良いですか?
だってまだ残り香がしますよ。
今ほら、音がしましたかね?
気のせいですか?