令ちゃんがふつふつ怒っています。
リードです。
噛み切られています。
あ、ボクがやりました。
あいすいません。
悪気はなかったんです。
テーブルの下でひとり寂しかったんです。
令ちゃんはママの膝の上だったし。
仕上げるのに五分とかかりませんでしたよ。
手際良いでしょう?
ああ、令ちゃん、ごめんなさい。
お願いだからそんなにションボリしないで。
令ちゃんママがCreemaで作ってくれた
お気に入りだったんですよね。
令ちゃんの耳色にぴったりのオリーブ色で
しなやかな本革にステッチが入ってて
さすが高級な噛みごたえでした。
え、それは言っちゃいけないのか。
あああ、許して。
こっち向いてよ、令ちゃん。
機嫌直してボクを見てよ。
どうしたら良いんでしょう。
ほら飼い主たちがオヤツ取り出してるよ。
食べないなら
先にボクがもらっておこうか?
ああああ、それもダメですね。
このオヤツにボクは権利がありませんね
はいはい。
えーと、とりあえず何か食べてくれません?
失くしたモノのことばかり考えてると
冬が来ちゃいますよ。
この先は後処理担当の飼い主が
良きに計らいますから。
ほんとにほんとに
ごめんなさい。