遠くから来たお客様が
包みを破いて
蓋を取って
袋を開けたら
ボクたちの名前が呼ばれました。
オヤツです、オヤツ。


なんだか嗅いだことのない匂いですよ。
おや、飼い主たちのオヤツとそっくりです。
間違えないでくださいね。


飼い主たちがだらだら成分比較している間に
令ちゃんが立ち上がったので
ボクも負けじと立ち上がりました。
令ちゃんったらズルいんですよ
このあとOKが出る前に
隙をみてひと口齧っちゃったんですから。
あ、それはボクか。
そして散らばったお菓子屑の争奪戦となり
犬も人間も椅子に絡まり
流血寸前の騒動を他のお客様に笑われたら
特別なオヤツを楽しむはずのパーティは
ただの一個を完食することもなく
お開きになったのでした。