世界が濡れている日の散歩は
飼い主との小競り合いが止まりません。
マーキング問題です。
道すがら両側から他の犬の匂いが香りたち
ボクはモゾモゾ
飼い主はイライラします。
もはや道の端を歩くことすら禁じられました。
ついては新しいマーキング構想を確立。
段差です。
とんと歩いて降りると見せかけて
後ろ足を上段に残しシャッとやります。
いちに、くらいのタイミングで十分です。
片足を上げないため
飼い主は事前の気配に気付きません。
必要なトイレ以外の
一切のマーキングを忌む飼い主は
ボクの後にできた小さな水たまりを
舌打ちしながらじゃぶじゃぶ洗います。
小雨が降っていても洗います。
ちょっと嫌味ですが
それぞれの正義とはこのことでしょう。
今日も
道の真ん中を歩くよう定められ
段差で止まることを許されず
ボクは濡れそぼる世界を引かれます。
はいはい
ごめんなさいねぇ
それでもついていきますよ。