白い犬

日々を暮らす

アイツとの距離

初めて会ったのは今年のお正月。

子犬時代に他の犬たちと会う機会が足りず

社会化不足で育ったアイツは

自分のテリトリーに踏み込んできたボクが

相当な恐怖だったらしく

お漏らしの上ギャン泣きして

人間たちを次々に噛んでみせました。

今もボクが近づけば人間にすがり

震えながら目を逸らします。

言っときますけど

ボクが噛んだり威嚇したり

いじめたことはありません。

たぶん。

それでも人間たちの強い後押しのおかげで

いくらか距離が縮まってきました。

今朝はショートリードで足並みを揃えて

ほんの少し一緒に歩くことのできた

記念すべき日です。

慣れない相手だからって

いつまでも怖がってたら疲れるでしょう?

優しい人のそばなら気が大きくなるようだけど

そういうのカッコよくないしさ。

頑固はやめてボクについておいで。

明日ボクは恵比寿へ帰っちゃうんだ。

また来るからね。

そのうち令ちゃんにも紹介してあげるよ。

さあ行こう。

 

 

お婆ちゃん家でテレビを観る

お婆ちゃんの家に来ると

いつもと違う物があって

いつもと違う匂いがして

少し緊張感があって

ボクもしゃんとします。

1日がお婆ちゃん時間で流れてゆくので

ボクもお客さん然と構えているより

少しくつろいで見えるほうが良いかなと

おもてなしに応える努力も忘れません。

まあ

しゃんとして観たからといって

番組が面白くなるわけでもないし

ボクは楽ちんに越したことはないし

オヤツが増える様子もないから

テレビを観る姿勢なんて

いつも通りで良いと気づくのに

さほど時間はかかりませんでしたけど。

 

 

 

アイツとの関係が始まる

アイツの家に遊びに来てやりました。

子犬時代以来の社会化不足は健在のようで

遠方からの客だというのに

なんのお構いもありません。

飼い主の足の間に挟まって

ギャン泣きを続けるアイツをスルーしつつ

ボクは来客としての礼を失さぬよう

撃たれてバキューン芸を披露しておきました。

飼い主がお茶の支度に立つやいなや

ダンゴムシ犬へ変貌するアイツに

犬挨拶を仕掛けましたが動きません。

失礼なやつでしょう?

面倒なので

ボクはアイツが今一番お気に入りの

ガジガジするおもちゃを

目の前でかじってやりました。

するとギャン泣きをやめたから

散歩に誘ったのですけれど

行きたくないようなので中止。

難しいやつです。

じゃあボクのことを

怖がってばかりだったのかというと

実は注意深く観察していたらしく

ボクが帰ったとたん

まるで

隠していたライバル心が溢れたかのように

撃たれてバキューン芸を披露したそうです。

やれやれ難しいやつです。

また来てあげるよ。

 

お婆ちゃん

f:id:EBISUINU:20220604221035j:image

お婆ちゃんは

勇ましい中腰で「マテ」の指示を出しましたが

それを解除するための「OK」

という言葉を忘れてしまったところです。

f:id:EBISUINU:20220604215355j:image

しばらくお互いに動かず見合ったあと

お婆ちゃんはおもむろに手を出して

無言のままオヤツをくれました。


f:id:EBISUINU:20220604215613j:image

f:id:EBISUINU:20220604215616j:image

次にバキューンの手指示を見せながら

「フセ」のコマンドを繰り返し呟くので

とりあえずオスワリをしてみたら

オヤツをくれました。


f:id:EBISUINU:20220604220142j:image

今度は何の指示も出さずにオヤツを見せ

「OK」と言ってきたから

申し訳なくて勝手にバキューンしました。

遠慮なくオヤツはもらいます。


f:id:EBISUINU:20220604220425j:image

f:id:EBISUINU:20220604220428j:image

そんなお婆ちゃんは最近しばしば

ゴハンを途中で忘れたり

食後の薬を見失うため

ボクが食事中のお供をする担当です。

そうするとお婆ちゃんは話しかけてくるから

ぼんやり意識が飛ぶこともありません。

f:id:EBISUINU:20220604220613j:image

お婆ちゃんは来週

シセツという新居に引っ越します。

ご近所で便利で新しくて

ふかふかな布団と

優しいお姉さんたちに囲まれる

素敵な新生活の始まりですが

そこにボクは遊びに行けないそうです。

だから今は

ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと

お婆ちゃんの側にいるんです。

 

 

 

 

逃げています

最後に全速力で逃げたのはいつですか?

夢の中だったでしょうか?

ときに現実問題として

ボクには緊急逃走案件が発生します。

あくまで稀にですけれど。

インディジョーンズのような

エンターテインメントでなくとも

割と大変な状況は起こり得るものです。

まあ

いざというとき

走って逃げる技術を持てば

思い切って意見する勇気も持てると

常々自己満足しているのですが

逃げる途中は後悔しないこともありません。

今がそんな感じです。

 

 

 

 



 

遠い街へ移動日

今度はスマホを忘れて取りに行きました。

これから長旅というのに

出かける前にはいつも待たされます。

もう行きますよう。

数時間の新幹線はクレートがボクの席。

グリーン車を奮発していただければ

ぴったり収まるので隣客にも気づかれません。

さあ、着きましたよ。

久しぶりに会う人々が

次々とボクを甘やかしてくれます。

ボクも大好きですよ。

つくづく、良いところですねえ。

と思ったら

ああ

コイツがいました!

ギャン泣きするんですよ、コイツ。

噛み付いてくるんですよ、コイツ。

なのにカワイイをもらうんですよ。

許せます?

 

 

旅行前にやること

明日から3週間ばかり遠くの街に行くので

シャンプーダブルのうえ

日光消毒しています。

良い匂いに仕上がる予定。

ボクの洗浄に引き続き

飼い主は移動用ハウスを洗い始めました。

リードとタオルは天日に干されてます。

洗い物は以上でしょう。

長い旅行の前はやることが多くて大変です。

ワクワクしてソワソワして

既にちょっと疲れたりして

心にもないことやってしまいませんか?

ということで

首輪を2本始末してみました。

いえね

ボクだけ暇なのもどうかと思いまして。

忙しそうな飼い主は

雷を落とす余裕もないみたいです。

さあ次は何をしましょうか。

あ、大切な用事が残ってました。

ご挨拶。

令ちゃん

しばらく会えないよ。

暑くなったから身体に気をつけてね。

できるだけ早く帰ってくるからね

帰りは走って帰るからね

じゃあ行ってきます。