人間のゴハンを食べたことがありません。
生まれてこのかた
食べ物を分けてもらえないどころか
食卓接近すら禁じられてきました。



ですからマルゲリータと写真を撮る
とか言われても困るんです。
食べたことがなくても犬に必須栄養素の
タンパク質と脂質の匂いは判るわけで
食欲という強烈で原始的な欲望に勝つために
ボクの編み出した防御策は
「ピザを見ない」でした。
横を向き下に俯き身体ごと捻ってひねれば
そこにマルゲリータはいません。
ですから
ボクがご馳走を見つめ鎮座する写真に見えても
実はボクがピザよりずっと向こうにいて
ぼんやりする偶然を錯覚しているだけです。
ボクの前にピザはいません。
ちなみに令ちゃんは五分五分で端を舐めて
騒動を起こしますがその件についてはまた今度。