がおがおがおう
ミナノモノひかえおろう
この白い歯が目に入らぬかあ。
ここにおわすは
身体に比べ無駄に歯が大きい
ボクだぞう。


あ、いえね、
喧嘩するつもりはないんですよ。
ボクは手でつかめないので
気になったものは口で捕えようと
そういうことなんです。
だってこんな魅惑的な匂いのする手袋を
見逃すわけにいかないでしょう?
しかも中身入りですよ。


比較のためにですね、
気分が乗り過ぎて威嚇レベルに達すると
こんな感じです。
上唇がめくれて歯茎は存在を主張し
犬歯の全体像が見えるとともに
噛み締める顎に力が入ります。
ついでに目尻も上がって額に皺が寄り
なんともまあ嫌なヤツになるわけですよ。
あ、ちょっと
今のはデモンストレーションですから。
いやそんな
仕返しに指とかグイグイ入れないで
あががが
もう歯は収めたでしょう。
手をどけてください。
追記。
思い切り歯茎を見せると口内が乾いて
歯に上唇が引っかかることがあります。
自分では口を閉じているつもりが
きちんと閉じられなくて
ふにゃと情けなく笑って見えたりします。
例えば空気が乾燥する2月に
興奮してみせた後とか
そんな顔になります。