令ちゃんの雪合戦は
次々に丸めて投げられる雪玉を
残らずキャッチして食い尽くします。
何度やっても逃しません。
顔と同じくらい大きな雪玉に怯まず
ボクが避けようとする場面でも
ひとり果敢に粉砕を続けます。
雪合戦ってこれで良いんでしたっけ?
ボクの場合
迫りくる雪玉に集中するあまり
気付けば顔正面で受け止めることが多く
あ、鼻の穴に入りました。
まあ雪合戦ってこんなものですよね。
えーと、目も冷たいんですけど。
令ちゃんのお腹が冷える前に帰りません?
遠くの街から家に帰ったら
日陰に昨夜の雪がまだ残っていました。
何はともあれ
ペロッ。
うーん、ちょっと埃っぽいかも。
気温が上がったので半分だけでしたけれど
いつもの遊び場がちょっと変わって
探検気分がおさまりません。
もう少し外で遊んでて良いですか?
そういえば
ボクが足を踏み入れる前に
雪の上に大人の足跡がついていました。
門の中ですから通行人ではありません。
え、もしかして最近流行りの
あ、き、す?
家の中はいつも通りに見えますが
最近の空き巣は散らかさないそうで
注意が必要なはずなのに
飼い主いわく
ウチで大事なのは犬だけだから大丈夫
だそうです。
新年から泣かせてくれるじゃないですか。
アイツです。
ちっこくて
写真写りが良くて
「かわいい〜」を瞬時に集めるアイツです。
ようやく会えました。
ボクの隣でリラックスして見えますが
今まさに極度の緊張で金縛り中です。
というのも
彼は人生のほとんどを家の中で育ったそうで
家族以外の人間や他の犬に会うと
おいちょっと大丈夫か
レベルの恐怖パニックを起こすようです。
白目を剥き
ギャン泣きして
彼の飼い主を含む人間たちを噛みちぎり
流血させるのはボクより上手です。
いわゆる幼犬期の社会化不足でして
昨今の自粛社会では珍しくない態度ですから
ボクが動じることはありません。
少し楽にしてくれないでしょうか。
下々をスルーするのが先輩犬の常であるところ
優しい見守り視線を投げてやり
権威失墜覚悟の芸を披露してみました。
海辺に連れ出せば
飼い主の足元から少し離れて
ゆったり遠くを眺める態度や
道行く人に撫でてもらう幸せを教示します。
それでもまだ
ボクの隣に置かれると
亀のように手足を縮めて尻尾を巻き
ぶるぶる震えます。
それはそれで愛おしく思えてきました。
騒ぎを繰り返すアイツの隣では
ボクがとても良い子に見えるらしく
おかげさまでオヤツを余分にもらえるのも
気に入っています。
人生まだ先が長いので
仲良しにはなれるでしょう。
次に会うのが楽しみでなりません。
海が見える街へきました。
ここには飼い主の大好きな老女がいます。
久しぶりの二人が話し始めれば
必ず喧嘩に発展するように思いますけれど
ボクと令ちゃんだって
ガオガオもつれ合うほど仲良しなので
好きだと言うなら好きなことにしましょう。
彼女との面会に際し
ボクに任務が与えられました。
まず、会った瞬間は駆け寄って
耳を伏せ口元を緩め尻尾を振ります。
優しい犬だとわかるように
暖かい舌で掌を舐めるオプション付き。
大丈夫、上手にできました。
家の中に入れてもらったら
休みなく彼女の足元につきまとい
混乱する指示にも平気を装い
こたつの横では動かない
という責務を
続けざまにこなさなくてはなりません。
飼い主がお散歩に連れ出してくれるまで
終日この繰り返しです。
長い道の先には
飼い主もあんな感じになるそうです。
大丈夫ですよ
諸々しっかり練習しておきますから。
ってか、ボクはかなり楽しいですよ。
さ、息抜きができたようなので
帰って続きをやりましょう。
去年もたくさん食べて寝て破壊して
充実した一年間でしたけれど
令ちゃんと遊ぶときのワクワク感しか
覚えていません。
どうせボクたちは前しか見ないので
今年も新しい事件が待っていると思えば
楽しみでなりません。
なのに
立派な角松飾りを見つけるたびに
お散歩もそっちのけで
ボクたちを座らせようとする
飼い主たちには
かける言葉もありません。
こんなボクたちですが
本年も何卒よろしくお願いいたしたく
ボクの視線の先にあるのは
輝かしい未来とか大きな夢とかよりも
、、、みかん?
怪しいやつがボクのキッチンを占領しています。
上から飛びかかるのが良いか
出っ張ってるところを噛みちぎるのか
とりあえずマーキングでも良いか
悩んでいたら
飼い主が「そこ邪魔」とつぶやきました。
八百屋さんから届いた
お正月用野菜を仕分け中のようです。
それにしても見事ではありませんか。
貴重な近郊ものがほとんどで
いつもスーパーで見かける野菜たちとは
色つやサイズが違います。
葉物や根菜が大好きで
ひととおり口に入れてみるボクでも
こんなに太い小松菜の根っこを
みたことがありません。
ちなみにこの八百屋さんは
老舗料亭などからの難しい注文にも応えてきた
市場ではよく知られた腕利きですが
コロナ自粛で商売危機に瀕した際
ダメ元で挑戦したネット販売が
大好評となったそうです。
今では季節ごとに
特別な詰め合わせセットを作ってくれます。
料亭のレシピ用が基本のためか
くわいとかゆり根とか
ときどき飼い主には難し過ぎますけれど
たいていは使いやすい野菜が
とびきりの状態で送られてきます。
お買い物に行けないひとや
元気な野菜を食べたいときや
三越が無くなって途方にくれる飼い主には
めちゃ便利らしいです。
ボクは美味しいものなら何でも結構です。
あ、動きました。
ゴロン、ってボクを潰しにかかります。
やっぱり怪しいやつ!
まつのfresh公式ページ
クリスマスが終われば
ダンボール箱が残ります。
サンタさんの付属品らしいです。
好きにして良いそうなので
好きにしてご覧に入れましょう。
まず端から裂きます。
びりびりの快音とともに
ボクのストレスが寒空に消えてゆきます。
あっちで作業している飼い主が
邪魔になった大きな塊を投げてきました。
技術を駆使して空中でとらえます。
カッコ良くないですか?
受け止めたら体を返し
背負い投げて地面に叩きつければ爽快千万。
勢いで端が千切れました。
ちなみにこれは
屋内のクッション相手にもできますが
その後でハウスに閉じ込められる大技です。
片付けを始めた飼い主が
切れ端に手を出してきたら
引っ張りっこに持ち込みましょう。
年末にイライラする飼い主は見ものです。
今年も全力を尽くしました。
いつもながら後処理はボクの担当でないため
この辺りで失礼します。
ちなみに噂では
サンタさんも世間の波にのり
廃棄物ゼロを目指しているらしいです。
SDG'sにはボクも賛同しますから
来年はオモチャを追加してくださいね。